▼『天翔の旗の下に集いて 〜天翔宿星伝〜』
……………………………………………………………………………………………………………………
■シナリオ基本データ■
■ver0.91基本データ■
……………………………………………………………………………………………………………………
【拠 点 数】 543(戦略マップ内の実数はこれだけ)
【国・勢力数】 20
【ユニット数】 1618
【イベント数】 ???個(←とりあえず、伏せときます)
【※】 シナリオ情報に表示される各項目の数値は、まやかしです(実質的な数値は上記の通りです)。
■舞台・世界観■
■舞台・世界観(オープニングメッセージより)■
……………………………………………………………………………………………………………………
『天翔宿星伝 序文』
「中原の地から清州之地と呼ばれる、大陸の西方。彼の地に〈蔡雲国〉がありて、幾百年の長きに渡り、その全土を治めていたのは、今は昔。
長き時代の停滞、それは澱みを生み。積もり溜まった澱は、その濁った水面より顔を覗かせ始め、蔡雲国を衰退へと導く。
やがて、古き国はその形を保てず、潤いを無くし乾いた〈蔡之地〉は崩れ、十の欠片に分かたれた。旧き呼称もいつしか廃れ、西方の地は〈清御原之地〉と呼ばれるようになっていた。
そして、此の地は、十国史の時代〈清御原之時代〉を迎えた。
その時代の前半、百年の争いの時を経て、西方の大地は平和な盟約の時代を迎えたものの……。
時代はまた、移ろい始めた……。
蔡之時代から清御原之時代へと移り変わり、二百有余年。決して短くはない時を経て、古き十国の時代もそろそろ、その終焉を迎えようとしていた……。」
……………………………………………………………………………………………………………………
↑にもあります通り、『天翔宿星伝』の舞台は清御原と呼ばれる、とある大陸の西方の地となっています。
基本的な世界観としては、「日本の戦国時代」と「宋より以前の大陸(中国)」がごちゃ混ぜになった感じの、和風&中華(和中折衷?)の東洋風世界といったところでしょうか。
画的なイメージとしては、アニメやマンガ・ゲームにあるような、半ば架空的な「似非戦国・似非中華」風のものを思い浮かべていただければ良いかと思います(苦笑)。
(実際、いろいろと似非ですので……和と中華も中途半端&出鱈目に交ざってますし)。
■過去背景■
■過去背景(天翔宿星伝・開幕テキストより)■
……………………………………………………………………………………………………………………
『ある名もなき学者の、ある日の雑記より』
ある国の皇帝は美姫で身を滅ぼし……。ある国の王は老いにより、治世の末期に自ら輝かしき名を汚した……。
たとえかつて名君と呼ばれていた賢者でも、何かの切っ掛けで暴君や愚者に変わってしまう……。それは、さほど珍しいことでもなく、枚挙に遑がないとまでは行かなくても、多くの国の歴史書を紐解けば知ることができる。
故に、清榮国国主・天鷲が清御原之盟約を破り、覇道を進み始めたことを、私は大きな驚きをもって迎えたりはしない。
ただ、ひどく疑問に思う。天鷲はなぜ、覇王への道を歩み始めたのか? 何が、天鷲を覇道へと導いたのだろう……と。
……………………………………………………………………………………………………………………
『天翔宿星伝 前章(一部抜粋)』
「これより、我が国は羅城国に攻め入る!」
その宣言が、全ての始まりだった……。
城中に集められた家臣団の前で、開口一番、清榮国国主・天鷲の口から放たれた裏切りの宣言。その一言が家臣団を大いに驚かせてから、ひと月足らず……羅城国の都・羅城は陥落、同国は滅亡し、その二百年余りの歴史に幕を閉じた。
蔡都、茉莉、当麻、神凪、水珠、伊都、桃海、羅城、浄寧……そして、清榮。
と、清御原に十国あり。その十国の間で清御原之盟約が結ばれてより、百年。あと半年を待たず、その区切りの年を迎えられるはずだった……。
が、清御原暦九十九年の十月、清榮国により、不戦と協調の盟約は破られた。
なぜ、天鷲が突如、覇道などを進み始めたのか?
なぜ、天鷲は覇王となろうとしたのか……彼は黙して誰にも語らなかった。
故に、何が、名君として名高かった天鷲を、荒々しい猛禽へと変えてしまったのか……それを歴史は語ってはくれない。
歴史書が後代に伝えているのは、後に「天鷲の乱」と呼ばれるようになる争乱のてん末だけである。
(――中略――)
清御原暦百一年、六月……。
その真意を語らぬまま……。
覇王を目指した男は、病に倒れ急逝、覇道の半ばでこの世を去った……。
(――中略――)
その死の直前……。
「天音……」
神凪城天守にて、神凪国国主・天月が最後に口にした言葉は、娘の名前だったという。
愛娘の名を呼ぶと、天月は自らの脇差しを己に向け、自刃……この世を去った。
それから一刻ともたず、神凪城は落城……。
国の名と同じ名を持つ都は、最後の抵抗も虚しく、清榮国の手に落ちた。
清御原暦百二年、五月……。
神凪国は滅亡し、清榮国は清御原之地の覇王となった……。
(――中略――)
時は流れ……。神凪国が滅び、清榮国が清御原の覇者となってから、十五年……。
「時は満ち、天命の刻は来たれり……」
夜空を見上げ、時の星導師は、誰に告げるわけでもなく、古き時代の終焉を予言する……。
黒帝暦十六年、もしくは清御原暦百十七年。
清御原之地は、再び動乱の時を迎えようとしていた……。
■シナリオ概要■
■シナリオ概要(天翔宿星伝・第一部開幕テキストより)■
……………………………………………………………………………………………………………………
『天翔宿星伝 第一部・第一章(一部抜粋)』
――相羽山にて賊徒が挙兵!
その一報が神凪城に舞い込んできたのは、享楽に満ちた酒宴の真っ最中だった。
もたされた叛乱勃発の報に、神凪管領・有王は手にしていた酒杯を床に叩きつけた。
「相羽山が占拠されただと……」
怒りのためか。もともと酔いのために赤くなっていた有王の顔は、さらに赤みが増し、深みのある赤色に染まっている。
「早馬の報せによると、相羽山を占拠した賊徒らを率いているのは、神凪国の旧臣・双雲とのことです」
「……双雲だと。負け犬の残党ごときが、いまさら何を……」
ぎりと、歯軋りが鳴るほどに、有王は強く己の歯を噛み締めた。
有王の口から零れ出たその微かな音に、衣を着崩し片肩を露わにした女が、有王の隣でびくりとその身を震わせる。
「だが、侮るわけにはいかぬか……。双雲といえば、神凪国の三将軍に名を連ねていたほどの将……」
言いながら、有王は、血走った眼で己の前に居並ぶ近臣たちを見回した。
それまでの盛り上がりから一転、女たちの嬌声も消え、場は静まり返っていた。
諂いや追従を並べ立てるのに慣れた口は、こういう時には何の役にも立たないらしい。有王の近臣の口から、進言などが飛び出すことはなかった。誰もが口を噤み、誰一人、一言の言葉も発することはなかった。
言葉を発するどころか、自分と目を合わそうともしない近臣たちを、心の中では「役立たずの臆病者どもめが!」と罵りながらも、有王は外には溜め息を零すだけに止める。
「……仕方あるまい。あの老いぼれに頼るのは業腹だが……双雲が相手なら、あいつに行かせるのが上策だろう」
その言葉に、ホッとしたように場の空気が少しだけ弛んだ。
有王は徳利を手にすると酒を呷り、中身を一気に飲み干した。そして、口を開く。
「雷孔をここへ呼べ! 相羽山の奪還と賊徒どもの討伐へは、あの老いぼれを向かわせる!」
(――中略――)
蒼穹の下、前方に山を望みながら、清榮国の老将・雷孔率いる軍勢は行軍を続けていた。
目指すは相羽山。その目的は賊徒討伐。神凪管領・有王の命を受けての出陣だった。
しかし、その細長い隊列の歩みは鈍く……いや、のんびりとしたもので……。その行軍の様子は、どこをどう見ても、賊徒討伐に向かう軍勢に相応しいものには映らなかった。
中でも、今回、軍監役として雷孔の軍に付けられた鴻楽には、とりわけそう思えるらしく、雷孔の隣で一人、大きな声を上げていた。
「雷孔殿! 我らは、相羽山へ物見遊山に行くのではありませんぞ! 我らが相羽山へ行くは、賊徒共を討つため!」
「鴻楽殿。そのようなこと、いまさら念押しされずとも承知しておるよ。この雷孔、まだ呆けてはおらぬ」
鴻楽の叱責口調に対し、雷孔は落ち着いた口調で返す。
「ならば、なにゆえ、このように亀の歩みのごとく行軍を続けておられるのか! 何故もっと兵を急がせぬのですか! 相羽山は既に、賊徒どもによって占拠されているのですぞ!」
「それは、向こうの狙いが見えぬからだ」
「……狙い? それは伏兵や罠などのことですかな? まさか、雷孔将軍ともあろう御方が、そんな瑣末なことを怖れ、及び腰になっているとでも言われるのか」
「そうではない。もちろん、そのことも警戒はしておるが……そのような目先の策などではなく」
雷孔はいったん言葉を切り、鴻楽に問いかけた。
「鴻楽殿。此度の双雲の挙兵、貴殿は何か妙だとは思われぬか?」
「……はて? 妙とは何がでしょうか? 私の目には珍しくもない、ごく有り触れた無謀で愚かな叛乱としか映りませぬが」
「そう、無謀で愚かとしか思えない……。私の目にも、鴻楽殿と同じようにしか映らぬ」
鴻楽の答えにわずかに頷き、雷孔は目指す山の方角を見やった。
「なれば……だからこそ、疑問に思うのだ。おかしい、妙だと……」
(――中略――)
相羽山の奪還は、一合の剣戟もなく果たされた。
雷孔の軍が相羽山に辿り着いた時、そこには既に賊徒勢の姿はなく、山はもぬけの殻となっていた。
「……どうやら、まんまと誘き出されてしまったようだな」
雷孔は馬から降り、周囲を見回すと呟いた。
「それにしても……双雲将軍を囮として使ってくるとは、向こうにはなかなか面白い軍師がいるようだ……」
と、雷孔はさらに独りごち。陽の位置を確認した。
そして、暮れ始めている陽を背にし、雷孔は口を開いた。
「こちらが囮なら……本命の旗揚げはあちらの方か……」
(――中略――)
「天音様。ただいま報せが届き、雷孔軍は相羽山に到着、そのまま相羽山に陣を張ったとのことです」
別働隊を率いる双雲より届けられた報に、清明はぐっと両の拳を握り締め、一拍遅れで小さく息を吐いた。
そんな清明に、凛としながらも、まだどこか幼い印象の残る声が掛かる。
「やりましたね、清明さん。これで初手は、私たちの思い描いていた通りになりましたね」
「はい、天音様。まだ油断はできませぬが、双雲殿ならこのあとの雷孔軍への牽制も上手くやってくださることでしょう。これで、こちらの狙い通り、雷孔将軍はしばらく相羽山に止めておけるでしょう」
清明は、上座に座る少女――天音に言った。
「では、次は私たちの番ですね」
清明に頷くと、天音は表情を引き締めた。
そんな天音に、彼女の最も側に控える橘香から声が掛かる。
「天音様、いよいよこの時が来ましたね」
「ええ、橘香」
天音は橘香と視線を交わらせ、橘香の瞳を見つめ小さく頷いた。
そして、視線を正面に戻すと、集いし同志たちに向けて口を開いた。
「天翔旗をこれへ! これより、我ら天翔軍は天馬とともに飛雲湖の古城へ入城します!」
(――中略――)
沸き起こった鬨の声が、大地を震わせるように、古城の内外に響き渡り。
湖を渡る風は、天翔の大旗をはためかし、天馬を天翔けさせる。
「天翔の旗の下に!」
凛とした天音の号令に、集いし同志たちは、天翔の大旗の中で天翔る天馬を見上げる。そして、三度、天に轟くような鬨の声を上げた。
(――中略――)
黒帝暦十六年の五月、もしくは清御原暦百十七年の五月。
こうして……後に天清二天戦争と呼ばれるようになる戦いは、その幕を開けた。
……………………………………………………………………………………………………………………
↑の「過去背景」にある天鷲の乱が終結し、清榮国が清御原の覇王となってから十五年後。清榮国により滅亡させられた神凪国の最後の国主・天月の忘れ形見、天音を総大将とする天翔軍が打倒清榮を掲げ旗揚げします。
この天翔軍の旗揚げから始まる戦いは、後に歴史書にも記され、「天清二天戦争」と呼ばれるようになります。『天翔宿星伝』は、この天翔軍と清榮国との戦い、天清二天戦争を舞台としたシナリオとなっています。
■ダウンロード(ver0.91)■
■『天翔の旗の下に集いて 〜天翔宿星伝〜』■
……………………………………………………………………………………………………………………
++シナリオダウンロード(50stars.zip/7.11MB)++
|